転職サイトと転職エージェントを使って2回転職した私がそれぞれの特徴と、両方使ってみて分かった、おすすめの使い方をお教えします。
転職サイトと転職エージェントの違い
1.それぞれの役割
簡単に説明すると、
転職サイトは、求人を掲載するだけです。
転職エージェントは、人材と企業のマッチング、面接のセッティング、年収交渉など人材と企業の採用までにおける過程をフォローしてくれます。
具体的に、それぞれの特徴を比較するとこうなります。
転職サイトは、
手軽で公開されている求人は全て見ることができますが、自分で転職までの過程を全て行う必要があります。
キャリアが少ない人向けの求人から、キャリアの長い人向けの求人まで幅広く取り扱っています。
転職エージェントは、
自分にあった求人を紹介されるので、その転職エージェントが持っている全ての求人全は見れません。
その代わり、非公開求人の取り扱いがあります。大手企業への転職はほとんど非公開求人になっているので大企業に就職したい方は転職エージェントの利用が多いです。
また、ある程度のスキルを求める会社が転職エージェントを使うので、キャリアの浅い方の求人が少ない場合があります。
このように、それぞれの役割は明確に分かれています。
では、デザイナーは「転職サイト」と「転職エージェント」どちらを使えば良いのか?
個人的には、「転職エージェント」をおすすめします。キャリアが少なくても・多くても、転職エージェントは使った方がいいです。
※転職サイトは使わない方がいいという意味ではありません!
私が、転職エージェントをおすすめする理由は、デザイナーにとっての優良企業が転職エージェントを使うことが多いからです。
では、なぜデザイナーにとっての優良企業が転職エージェントを使うのかを「企業側の視点」を踏まえながらお伝えします。
2.企業はなぜ転職エージェントを使う?
転職サイトも、転職エージェントも利用者にはお金はかかりません。
転職サイトに求人を掲載する企業、転職エージェントに人材を紹介してもらう企業がお金を払う仕組みなっています。
企業側のお金のかかり方ですが、転職エージェントを使う方が圧倒的にお金がかかります。
転職エージェントは、転職者の初年度の年収の何%かを報酬としてもらいます。例えば、年収400万の人を転職エージェントで採用するとこのような金額がかかります。
400万×30%=120万
一人採用するのに、120万円もかかるわけです。ものすごく高いですよね。もちろん、もっと年収の高い人を採用すれば、費用がよりかかります。
実は、この金額は
「私が転職した時に、会社が実際に払ったエージェントフィー」です。
この金額は、会社に聞いたので間違いありません。
あの頃の自分に120万の価値があったのかは疑問ですが。。。笑
では、なぜ企業は、高額のエージェントフィーを払ってまで、転職エージェントを利用するのか?それは、いくつか理由があります。
理由1:求人に関する手間が少ない。
人気企業ほど、この傾向がありますが、一人しか採用しないのに、応募者がたくさん来ると書類審査や合否返信だけで、恐ろしい時間がかかってしまいます。
さらに、そのほとんどが自社の希望する人材でないとなると、お金がかかっても転職エージェントを使う方が手間が少ないのです。
つまり、あなたが人気企業に入りたいと思うなら転職エージェントに登録した方がいいです。
理由2:自社にいない専門職の評価ができない
ある会社で、初めてwebデザイナーを雇うことにしました。
ただ、今まで、webは外部の会社に頼んできたので、どういった人材をとればいいか分かりません。
どの人材が優秀か判断がつかないときに、転職エージェントを利用します。
専門職の場合、その分野に詳しい転職エージェントがつきますので、採用のアドバイスもしてくれますし、採用側にとっては安心です。
あなたが、「しがらみのない新規部署」や「部門のトップ」として働きたいのなら、転職エージェントに登録した方が希望が叶いやすいです。
理由3:優秀な人材(自社に合った)を紹介してもらえる
転職エージェントを使った方が、優秀な人(自社に合った)が応募してくる率が圧倒的に高いです。
ここでいう優秀というのは、単純に仕事ができるという基準ではなく、自社に合った人材という意味も含まれます。
例えば、
「みんなで力を合わせて仕事をこなす一体感が強い会社」があったとします。
その会社に「仕事はできるけど、チームで動くのが苦手な人」が転職したとします。
果たしてその人は、その会社にとって優秀な人でしょうか?
残念ながらその人は、会社から優秀な人材と評価はされません。
その人より、仕事のスキルはなくても、チームで動くことが得意な人の方が、会社からの評価は高く、「優秀な人材」つまり「自社に合った人材」となるわけです。
転職エージェントがいると、企業側が求める仕事の能力だけでなく、「転職者の人柄」や「希望の働き方」を把握した上で紹介するので、ミスマッチが少なくなります。
あなたが、「ミスマッチを防ぎたい」と思うのなら、転職エージェントを使ってミスマッチを防ぐことをおすすめします。
理由4:重要なポジションの募集の場合
会社にとって重要な、クリエイティブの管理職や重要ポジションは、転職エージェントの非公開求人が使われる傾向にあります。
理由は2つあります。
1、「重要ポジションなので、転職エージェントに優秀な人材を紹介して欲しい」
2、「募集していることを知られたくない」
2は、ある程度規模の大きい会社になりますが、「社内・社外の関係各社に無用な心配や詮索」を起こさないための配慮だったり、「今後の会社の方針」がバレてしまうことを避けるためです。
あなたが、「重要なポジションについて、力を発揮したい!」と思うのなら、転職エージェントをおすすめします。
理由5:デザイナーやクリエイティブを評価している
先ほども説明しましたが、転職エージェントの方がお金がかかります。それでも、転職エージェントを使うのは、デザイナーやクリエイティブを評価しているからです。
単純に、お金がある企業だから、転職エージェントを使うわけではありません。大企業でも転職エージェントを使わずに転職サイトを使うことは多くあります。
クリエイティブを会社にとって中核になる部署として認識していたり、これからクリエイティブに力を入れていきたい企業など、クリエイティブを評価をしていないと転職エージェントは使いません。
評価しているということは、クリエイティブの部署の年収設定が高いことも見込めます。
あなたが、「クリエイティブの評価が高い会社で働きたい」と思うのなら、転職エージェントを使うべきです。
3.まとめ
このように、デザイナーにとっての優良企業が転職エージェントを使うことが多いことは分かってもらえましたか?
ただ、転職サイトに同じような内容の募集が絶対にないかと言うとそんなことはありません。たまに、大手の求人も転職サイトで見かけます。
なので、余裕があるなら「転職サイト」と「転職エージェント」の併用
余裕がなければ、転職エージェントを使うのがいいと思います!
それでは、具体的に「転職サイト」と「転職エージェント」をどう使うのがいいかを紹介します。
おすすめの使い方
1.転職エージェントの使い方
最初にキャリアの浅い方へ言いたいことがあります。
「キャリアの浅い人」が転職エージェントへの登録に二の足を踏んでしまうことがあります。
キャリアが浅い人こそ、転職エージェントへ登録してください。
私はデザイナー歴1年で転職エージェントに登録しました。結果的には、経験不足で転職エージェントでいい求人を紹介してもらえず、転職サイトでの転職をしました。
ですが、転職エージェントに登録したことで、自分の市場価値を教えてもらい、どんな経験があったらもっといい会社へ転職できるかを認識した上で、転職することができました。
その経験のおかげで、今の会社への転職を「転職エージェント」で成功させています。
キャリアの浅い人でも、転職を成功させるために、「転職エージェント」への登録をお勧めします。
要望はハッキリさせる
要望は遠慮なく言いましょう。
「自分のキャリアやスキルだと難しいかな」なんて考えはいりません。
通らない要望は、エージェントが言ってくれますので、言いたいことは最初に全て言いましょう!
要望だけでなく、自分の今の転職に対する気持ちも伝えましょう。転職が不安で迷っていたら「転職を迷っている」とはっきり伝えましょう。
曖昧なことばかり言っていると、エージェントが出してくる求人が自分の希望と合わないことがありますので、自分の要望や状況をハッキリ伝えることがいい転職につながります。
自分の市場価値を知る
転職サイトだけでは、自分の市場価値に気づかず転職してしまうことがあります。
本来は、そのスキルと経験があれば、もっと良い条件の会社に入れたのに、自分で勝手に低く評価してしまい条件の悪い会社へ入ってしまう。そんなのは嫌ですよね。
私が、転職の時に必ず転職エージェントを利用する理由が、自分の市場価値が分かるということです。
受かる、受からないは別として、自分のキャリアだと「どんな職種に応募できるか」、「どの程度の年収の求人を紹介してもらえるか」、それが分かるだけで視野が広がります。
自分の市場価値を正確に判断できている人はほとんどいません。客観的にエージェントに見てもらうことで、自分の市場価値を改めて認識することができます。
ただ、転職エージェントの言うことが、必ず正しいわけではありませんので、業界に詳しい人からの一つの意見として聞く程度にしておいてください。
キャリア設計する
あなたは、自分のキャリアをどれくらい描けていますか?40代になったらどんなデザイナーになっていますか?
転職エージェントは、20代、30代、40代、50代の幅広い年齢層の人を転職させています。
つまり、デザイナー業界のキャリア構成を知っているということです。
40代や50代で求められるデザイナーの「スキル」や「経験」とは何か?
ぜひ、聞いてみてください。そこで教えてもらった、ことを参考に自分でもどう言ったキャリアを構成したらいいかを考えてみてください。
キャリア構成が決まったら、必要な「スキル」や「経験」を得られる会社への転職を考えることができます。
内部事情を聞く
この業界は労働時間が長い傾向にあり、それが嫌で転職したい人も多いと思います。
先ほども言いましたが、ハッキリと要望を伝えましょう。
「長時間労働は嫌です。」「定時で上りたいです。」と言ってください。
そうすれば、希望にあった求人を紹介してくれます。
ただ、紹介してもらった求人の平均残業時間や有給取得率が、本当かどうか気になりますよね?
本当かどうか聞いてください。
もし、違っていたら入ってもすぐ辞めてしまうかもしれないことも伝えましょう。転職エージェントは、転職者だけでなく企業側の利益も当然考えます。
入社してもらっても、すぐ辞めてしまう人を紹介することはできないので、企業に確認したり、先に入社した人に確認をとってくれます。
エージェントに無理難題を押し付けるのは間違っていますが、譲れない条件や希望を言うのは間違いではありません。
ここでも、ハッキリと言うことが大事です。
複数の転職エージェントに登録する
転職エージェントは基本的に、利用者に専任の担当が1人つきます。
今まであげたおすすめの使い方は、転職エージェントの意見を聞く使い方を紹介しましたが、その意見はあなたの専任担当1人からの意見になります。
これからの人生を左右される意見を1人の意見に任せて転職しますか?
私は、1人の意見だけでは怖かったです。
そのため、私は大手から中小の転職エージェントに10社以上登録して面談していました。
さすがに10社は登録しすぎたので、みなさんは10社も登録する必要はありませんが、せめて2,3社は登録した方がいいです。
単純に、扱っている求人も違うので、いろいろな求人を見れるのもいい点です。
ただ、同じ求人を扱っていることも結構ありました。笑
その時は、同じ求人でもそれぞれのエージェントから話を聞くと、持っている情報やその会社に対する評価が違うので、求人に対する見方が変わりました。
そういった意味でも複数人の意見を聞くのはいいと思います。
2.転職サイトと転職エージェントの併用
転職先の候補が増える
企業は様々な理由によって、転職サイト、転職エージェントを使い分けています。
そのため、「転職サイトにしかない求人」、「転職エージェントにしかない求人」があります。どちらか一方だけを使っていては、単純に求人の数が半分になってしまいます。
どちらか選ぶなら転職エージェントをおすすめしますが、転職サイトにもいい求人はもちろんあります。自身の転職先の候補を広げるためにも、どちらも登録して損はありません。
転職サイトと転職エージェントを併用する時の注意点
併用は、もちろんいいですが注意点もあります。
それぞれ、応募のタイミングをなるべく合わせてください。
これは、併用に限ったことではありませんが、気になる求人が複数あった場合、合否の結果が出るのがバラバラでは、せっかく採用通知が出ても、他の気になる求人の合否が出ないと返事もできません。
合格を出した企業は、返事を待ってくれても2週間ほどです。それまでに他の合否が出るように調整するのがいいと思います。
おすすめの転職サイト・転職エージェント
おすすめ転職サイト・転職エージェントは別の記事でまとめましたので下記の記事を参考にしてください。
私は、転職で仕事の悩みが消えました。転職によって、皆さんの仕事の悩みがなくなることを祈っています。